床に広がる赤、朱、紅――
薄れ行く意識の中頭上で一羽の鴉が鳴いた
人とは違うから、だから我慢して、耐えて、隠して生きていくしかない
諦めばかりが募る世界で、君と出会った
死して尚、動く身体
解放される事の無い、永遠の輪廻
誰も気付かない
此れは日常の中に在る矛盾
誰も知らない
此の世界の他にも、数多な世界が有ると云う事を
誰も視えない
自分の中に在るもう一人の自分を
繋いで、重なり、交差する世界
其れを辿れば、其処には――――
Overture